わたしの隣には、レンがいた。

わたしたちは手をつないでいて、

でも、お互いどうしてここにいるんだろうっていう感じで、顔を見合わせた。


「お袋」

「お母さん」


わたしとレンが同時にお母さんに語りかけると、

お母さんは黙ったまま、にっこりと微笑んで、

つないだレンとわたしの手を取った。


その手はとても温かくて、柔らかくて、

お母さんの体温をしっかりと感じることができた。


白くて透き通るような肌は、けれど頬の辺りはほんのりとピンクに色づいて、

まるで…天使のようだった。


もう一度お母さんに語りかけようとしたけれど、

その姿は次第にぼんやりと薄らいでいく。


お母さんは優しく微笑んだまま何度も小さく頷いて、

辺りに溶け込むように、ゆっくりゆっくり消えていった。

花束を胸にして。