また自信の戻った顔つきになったレンは、

赤いスカーフを持って、そっとわたしの首元に当てた。



「どう巻くんだ、これ?」

「あたしも、よくわかんないだけど」

「そなの?」

「うん」



あはは…と笑いあって、見つめ合って、

レンは緩く、スカーフを巻いてくれた。



「レン、ありがとう」

「はい」

「嬉しいな…」

「よかった」

「…ホントに、嬉しい」

「うん」

「ありがとう、レン」

「ん」



抱きついたレンの身体は、すごく、温かい。



スカーフが嬉しいのと、

レンが赤い色を選べたことが嬉しいのと、

いろんな想いが交差する。



「大事にする」

「当たり前」

「…強気」

「あはは」

「ふふ」



どうして、こんなにこんなに、好きなんだろう。

レンの一言一言が、

何でもないその一言が、すごく嬉しい。


話しているだけなのに、

涙まで出そうになる。