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「レン、どれがいい?」


「うんとね、うんとね」


「全部可愛いわね。迷っちゃうね」


「うんとねぇ…これにする!」



小さなレン。


ぷよぷよの柔らかい手。



パンダ、キリン、ライオン、ウサギ……動物の形をした、たくさんのキーホルダーのなかから、


レンの幼い手は白クマのわたしをきゅっとつかんだ。



隣で微笑む、お母さんのカーディガンと同じ、白い身体のわたしを。