************** 「レン、どれがいい?」 「うんとね、うんとね」 「全部可愛いわね。迷っちゃうね」 「うんとねぇ…これにする!」 小さなレン。 ぷよぷよの柔らかい手。 パンダ、キリン、ライオン、ウサギ……動物の形をした、たくさんのキーホルダーのなかから、 レンの幼い手は白クマのわたしをきゅっとつかんだ。 隣で微笑む、お母さんのカーディガンと同じ、白い身体のわたしを。