玄関を開けると、勢いよくユウ君が踏み込んできた。


「ナナちん、19歳、おめでとう!」


そう言って、大きな箱をわたしに突き出したユウ君は、本当に、こぼれるような笑顔だ。


「あ、ありがとう。これ……」

「プレゼントだよー。開けてみ? あ、でも、そっとね」


3人で部屋の中に入って、テーブルの上にプレゼントを下ろし、リボンをほどいた。


「うわぁ、おっきいケーキ!」

「すごいべ?」


箱のなかにはケーキが入っていた。

えっと……直径30センチくらいの。



「どうしたの、これ」

「ケーキ屋さんに言って、作ってもらったんだよ」

「特別に?」

「そう、特別に。レンとナナちん、二人分だから」



ケーキにはびっしりとイチゴがのっていて、

クリームも大サービスって感じでのっていた。



「すごーい。美味しそう! ありがとう、ユウ君」

「昨日はお邪魔だと思ったからさ、あえて来なかったんだけど。

今日レンに聞いたらさ、コンビニのケーキで済ませたとか言ってるし。

なのに、でっかいケーキ食いたいって言うし。

ケーキならナナちんも好きかなってさ」


ちらっとレンを見たら、少し、苦笑してた。

でっかいケーキは…ユウ君に叶えてもらったね。

そんな気持ちで見つめたら、レンは小さく頷いた。