「ナナ…」

「レン」

「うん?」

「好きよ」

「……」

「大好き」

「うん」

「絶対、あたしが、レンを守る。

この先も、ずっと」

「ナナ…」



星が、ゆっくりと瞬いている。

この星のどこかにいる、レンのお母さん。

わたし、きっと、レンを支えます。



「あのね、レン」

「ん?」


わたしは、ポケットにしまっていた、お守りを取り出した。

水色の、スカーフで作ったお守り。



「これ…お守り」

「お守り?」

「うん。こんなのしか、作れなかったの。

ホントはもっといいもの、あげたかったんだけど。

ごめんね」



差し出したお守りを受け取ったレンは、手のひらにそれをのせて、じっと見ている。


「ナナが作ったのか?」

「うん。へたっぴだけど」

「手、見せてみ?」


そう言って、レンはわたしの手をとった。

乾いた赤い血が、ぽつぽつとまだ指先に残っている。



「あほ」

「…だって、初めてだったし」

「痛かったろ」

「痛いよー。何回も刺したんだから」

「…そっか」