君の左のポケットで~Now&Forever~

「病室でな、お袋言ったんだよ、

星になるだけだって。

星になって、ずっとオレを見てるからって」



「…うん」



「あれからなんだ…オレが、赤い色が嫌いになったのも、

ここに来て、星を見上げるようになったのも」



「…うん」



「……オレの…せい…なんだ」



詰まるような声がレンの口をついて、わたしは、身体を硬くしてレンを見た。

両手を組んで地面を見ていたレンの手が、顔を覆っている。

レンの肩が、心細く、小さく震えている。



「…レン」

「…ふ…ちくしょぅ…」

「…レン」



レンが、

レンが泣いている。


レンの涙を見たのは、何年ぶりだろう。

でもそれは、部活動とかの嬉し涙ばかりだった。


いつも、強がりのレン。

こんなに心細く、レンが肩を震わせて泣いたことなんてなかった。



レン…

お願い。泣かないで。

苦しまないで。

お願い。

わたしは、

あなたが苦しんでいる姿、もう、見たくない。