頬に触れるレンの、髪。

レンの、匂い。

いつもより、長い、キス。



「ヤバイ」

「…レン?」

「寝る」

「?」

「おやすみ、ナナ」

「…? おやすみ」


レンは立ち上がり、そそっとソファに向かってしまう。


はあ……



「レン、ユウ君に明日、借りる」

「は?」

「DVD。勉強する」

「…あほ。冗談だって。あんなの見たら、お前余計びっくりするわ」

「でも…勉強…」






「オレが教えるから」

「え?」

「そのうちな」

「…はぁぃ」



「おやすみ」

「おやすみ」




もうちょっと待たなきゃいけないみたい。

近いうちに、その気にさせてやるんだから!

……なんて、わたしはよくわかりもしないのに、ココロの中で叫んでみる。




レン。

早く。



教えてよね。