「勉強…」

「あはは」

「あははって」

「もう少ししたらな」

「……」

「そしたらな」

「…ぶぅ」



レンは笑ってわたしを抱きしめる。

わたしは、その腕の中で固まる。

もう。

もう!

……はぁ…勉強か…



「あー、もう2時半だ、寝るぞ、ホントに!」

「……起きれなくなっちゃうね」

「ほら、布団に入れ」

「ふぁーい」



何だその返事は……なんて言って、レンは笑ってわたしを抱き上げた。

お姫様だっこ。

………カナワナイ…

どんなにかわされても、どうしたってキュンとする。

くーーー…

絶対、大人になってみせるんだから。




ベッドに運ばれて、布団をかけられたわたしは、レンに腕を伸ばす。

首に手を回して、言ってやる。


「レン、チュ…じゃなくて、キス、して」

「…ぶ」

「ぶ? ぶ…」

「あはは。はい、キス」


わたしの腕をつかんだレンは、そっと腕を戻して、布団の上から抱きしめてくれた。

レンの、重み。