きゅっと、握られた右手が、レンの手の中で小さくなる。


レンは、わたしの気持ちに応えるように、その左手に力を込めてくれた。



「ナナ…」



「レン…」



「変だな」



「…え?」



「好きみたいだ」



「す…」



「ナナが、好きみたいだ」



「レン…」




細めた目が、わたしを見つめている。


レンの、大好きなレンの、優しい瞳。




わたしは――



息が詰まりそうなほど――



幸せだ―――