君の左のポケットで~Now&Forever~

「幸せ」



もう一度、呟いてみる。



「…オレも」

「え?」

「同じこと思ってた」

「レンも?」

「うん」


ゆっくりレンのほうを見る。

首だけ傾けたレンも、わたしを見ていた。


レンは小さく笑って、左手を伸ばして、

そして、わたしの右手を握った。


温かい手から、優しい気持ちが伝わってくる。

軽く握られた手は、けれどとても強いものに感じられた。



レン…


大好き。


大好きだよ。



胸がつまって、言葉が出てこない。

ただじっと、レンの瞳を見つめて、

言葉にできない想いを、送った。



レン…


ずっと、こうしてて。


ずっと…



精一杯の気持ちを込めて。