朝起きたときの、むくんだ顔とか、
遅刻しそうになって焦ってる顔とか、
わしっと掴まれてるときの手のひらの温度とか。
テレビを見ているときの横顔とか、
エッチな本を見てるときの変な顔とか、
子供みたいな寝顔とか。
何時間が過ぎただろう。
まだほんの数十分くらいしか経っていないような気がする。
レンの携帯は、さっき1回震えたばかり。
緑色のランプが、ぽつ、ぽつ、ぽつと規則正しく繰り返し点っている。
光を見つめながら、ぼんやりと午後の大学のロビーを思い出す。
必ずと言っていいくらい、女の子の手に毎日握られているチョコレートの味って、一体どんなものなんだろうと考えながら、
その時の女の子たちの会話を思い出していた。

