君の左のポケットで~Now&Forever~

布団を取り込んで、きちんとシーツを敷いて、ぱりっとベッドを整える。

レンがいつも寝ているソファは、コロコロをかけてキレイにする。


出しっぱなしだった掃除機を片付けて、

無理に引っ張って、端っこの糸がほつれてしまった玄関マットを横目に入れて、キッチンに立つ。


玉子焼と、から揚げと、ウインナーの入ったお弁当箱の蓋を開けて、もう一度チェックする。

玉子焼は少し焦げてるけど、味見をしたから大丈夫。

レンの好きな、甘い味になってたから。

から揚げとウインナーは…チンしただけだから、大丈夫。


おにぎりを握る。

ご飯はいっぱい炊いたから、レンとわたしが食べる分、ちゃんとある。

梅とおかかと、ツナをマヨネーズで和えて、レンの好きな昆布も準備した。



「~~♪~♪~~~♪」



自然と鼻歌が出てくる。

この歌、何だったっけ? 考えながら握るおにぎりは何だか大きすぎる気もするけれど、気にしない。


時計を見る。

1時半。

そろそろレンが戻ってくる。


急いで水色のスカーフ…レンは大っきいハンカチを持っていないから、わたしのスカーフにおにぎりを包んだ。


数えたら、10個もあった。