ロッカーの扉が勢いよく閉まって、
ぱたぱたというレンのスニーカーの靴音が遠ざかっていくと、
辺りは急にしん…とする。
時々、ブー・ブー・ブー…と密着した携帯が震えて、びっくりする。
でもその度にグリーンの光が点るから、なんとなくほっとする。
5時間って、長い。
恐ろしく退屈。
そばにレンの顔がないと、5時間は10時間にも感じられる。
だからわたしは、仕方なく考え事をして気を紛らわそうとする。
そう意識しなくても、自然といろいろ考えてしまうのだけれど。
今日の出来事を朝から一時間単位で細かく思い出してみたり、
昨日の天気を思い出したり、とか。
今日は何回電話が来たかな、とか、
今日はすごく目が回った日だったな、とか。
そんなことを考えて暇をつぶす。
いろいろ考えて、最終的に、気づけばレンの事を考えてる。

