君の左のポケットで~Now&Forever~

「…出かけてるって…どこに?」

「…え?」

「あたしのこと…助けてくれたのはユウ君でしょ? どうしていないの?」

「…すぐ戻るよ」

「レンは…」

「え?」

「…レンは…どうしてここにいるの?」

「…どうしてって…」

「女のヒトと…一緒じゃないの…?」

「……ユウが、送っていった」

「え?」

「送ってくれてるんだ、今」

「…意味…わかんないよ」


わたしの頭は混乱していた。

レンと一緒にいたヒト。

抱きしめていたヒト。

どうして、そのヒトをユウ君が送っているんだろう。


「レン…あのヒト、誰…?」

「……何でもないよ」

「どうして…嘘つくの?」

「……嘘じゃないよ」

「嘘じゃない? そんなわけないでしょ!」

「ナナ」

「抱きしめてたじゃない」

「……見てたのか?」

「昨日だって…昨日だって、あのヒトと一緒だったんでしょ」

「…ああ」


やっぱり…一緒だったんだ。

抱きしめていた、あのヒトと…


「もう…イヤだ…」

「ナナ」

「こんなの…イヤだ…」