君の左のポケットで~Now&Forever~

「あー腹減ったな」


もう一度大きな伸びをして、ユウ君が言った。

ずっとわたしのおでこのタオル交換をしてくれてたユウ君は、きっと何も食べてないんだ。


「あ、ごめんね。何か作ろうか」

「いやいや。病人にそんなことさせれないっす」

「でも」

「オレ、何か買ってくるよ、コンビニで」


そう言うとユウ君は、さっさと玄関へ向かってしまう。


「ちょっと待って」

「ん? 何か欲しいものある? 買ってくるよ」

「あたしも、行く」

「へ?」

「あたしも行く」

「ダメだって。寝てなきゃ」

「もう大丈夫。ふらふらしないもん」

「でもなあ」

「大丈夫」


わたしはゆっくりベッドから降りた。

少しほわほわするけれど、頭の痛みは消えている。

部屋に一人になりたくなかった。


「ホントに大丈夫?」

「うん」


わたしとユウ君は玄関を出て、コンビニまでの夜の小道を歩いた。

すっとする外の空気が、少し熱い頬に気持ちよかった。


けれど、昨日のレンとユウ君の態度を思い出したわたしは、コンビニに行くまでも、帰りの道も、ずっと無言のままだった。

そんなわたしに気づいたのか、途中までおしゃべりを繰り返していたユウ君も、いつのまにか黙り込んでいた。