君の左のポケットで~Now&Forever~

ぽつりと残された部屋の中。

わたしは、何をしているんだろう。

何を期待してるんだろう。


「オレは、よくわからない」


レンは、そう言ったんだ。

一緒にいるから、レンがわたしを好きになってくれるなんて保障、どこにあるんだろう。


レンが戻ってこないことに嫉妬しているわたしって、何なんだろう。

わたしがレンを束縛する理由なんて、何もない。

帰ってこないレンを責めることなんて、決してできないんだ。


レンにはレンの生活がある。

そこにいきなり現れたのは、わたしなんだ。

レンは、わたしのものってわけじゃないんだ。


ただずっと一緒にいただけで、わたしは……


でも、何なんだろう。

メールなんて、いつでも来ていたはずだった。

そのメールに顔色を変えて、すぐにどこかに向かうなんてこと、今までに一度だってなかったはずだ。


「あたしが…ヒトになってから…」


そうだ。

わたしは、ストラップの時はいつでもレンと一緒だった。

ヒトになってから、わたしは日中のレンを知らない。

大学に行っているレンを、バイトに向かうレンを、知らない。

その間に、何かあったのだろうか。


「恋って…」


切ないんだ。

わたしが思っていた以上に。


ヒトの恋って、こんなに辛いものだったなんて、知らなかった。