君の左のポケットで~Now&Forever~

「こんばんにゃー」


立っていたのはユウ君だった。


「何だ…ユウ君か…」

「ええっ。何だって何よ。ナナちん、性格変わった?」


わたしはふざけるユウ君の顔を見て、それから俯いた。

悪いとは思ったけど、ため息が漏れてしまった。


「ナナちん、ちょっとがっかりしすぎなんだけど…。お邪魔だった? レンといい事中?」


ユウ君は相変わらず明るくはしゃいでいる。


「あのさ、これ借りてきたんだけど、一緒に見ようかと思ってさ。っていうか、晩飯もまだだから食わせてもらおうかなって思ってさ」


ユウ君は、レンタルしてきた青い袋を持ってにこにこしながら一気に喋った。


「レン、いないよ」

「え?」

「まだ帰ってない」

「帰ってない? って一緒に帰ってきたんじゃなかったの?」

「途中で…途中でどっかに行っちゃった」

「へ?」

「メールが来て、それで」

「そなの? 酷いな、ナナちん一人で帰ってきたの?」


こくり…と頷くと、少し泣きそうになった。

何だか、ユウ君の声を聞いたら、安心してしまった。

泣かないようにぎゅっと唇を結んだ。