光と一緒に、少し冷たい、だけど新鮮な空気が入り込んできた。
見えていた空は、時々葉っぱになったり、
トンネルの灰色になったり、
また空になったりを繰り返している。
通る道によって、レンの顔色もちょっとづつ変わる。
明るかったり、影が差したり、木漏れ日が泳いだり。
きゅっと、ブレーキの音がする。
単調なメロディが流れる横断歩道。
信号待ちの間、
わたしは空でもなく、雲でもなく、
レンの顔にじっと集中する。
顎のしたの黒い影。
夕日の下で現れる、そのくっきりとした影がわたしは好き。
レンのシャープな頬のラインが強調されて、ぐっとくる。

