「好きなんじゃん」
ユウ君はレンの手をのけようとバタバタと手を動かしながらそう言った。
「好きなんじゃん、レン、ナナちんのこと」
「え?」
「そんな抱えてよー。いいなーレン…」
「す…」
「…いいなー…」
レンの手を振り払ったユウ君は、もにょもにょと口の中で言葉を転がして、そのまま後ろにぱたりと倒れた。
「おい」
「……」
「ユウ」
「……ZZZZ」
「……寝たのか?」
「ZZ…ZZ・・・ZZ…ZZ…」
「…早え」
赤い顔をしたユウ君は、あぐらをかいたまま後ろに倒れた体勢で眠ってしまった。
薄いピンクのシャツから、縦長に伸びたおへそが見えている。
「困ったもんだ」
そんなユウ君を呆れて見下ろすレンと、なんだかカエルみたいなユウ君の姿を交互に見て、結局このふたりは仲良しなんだと思った時に、背中に重なるレンの温かさにふと気づく。
わたしを抱えるレンの左腕は、身体の前を通って、わたしの右腕までしっかり届いている。
レンの左の手のひらは熱くって、わたしは途端に緊張する。

