ユウ君の顔がまた近づいてくる。
お酒の匂いがぷんぷんする。
また怖くなって目をつぶると、ぎゅっと腕をつかまれた。
「きゃ」
驚いて目を開くと、腕をつかんでいたのはレンだった。
そのまま引っ張られる形で立ち上がっていたわたしは、レンの腕の中にいた。
「お前、殺すぞ」
怒ったレンがユウ君を見下ろして、片手でぐりぐりとつむじを押している。
「あいででで!」
「お前酔いすぎ。酔うといっつもそうだ」
「あああごめんごめん、レン。もう許せ」
「アホが」
レンは片手でわたしを抱いたまま、今度はユウ君の髪の毛を引っ張っている。
怒っているのか呆れているだけなのか、見上げたレンの顔はさっきよりは少し緩んで、ちょっと楽しそうになっていた。

