「前から思ってたんだけどさ、あれ何なの?」
「白クマだよ」
「いや、そうじゃなくってさ。お前がああいうの付けてるのも、なんていうか、似合わないじゃん」
「まあな」
「大事なものなん?」
「まあ、そんな感じ」
「お気に入り? ってか実はああいう趣味とか?」
「なんだそれ」
ふざけだしたユウ君に、レンは弱く笑っている。
わたしはスポンジを持つ手を止めて、
気が付いたらそんなふたりの様子を身体を傾けて見ていた。
4本目のビールを手にしたユウ君は、
ニュースが終わるとまたうつぶせになって画面を見始めた。
ぱたぱたと上げ下げを繰り返すその足をぼんやり眺めながら、
「いい機会なのかもな」と小さく呟くレンの言葉を、わたしの耳はちゃんと捕らえていた。
スポンジから垂れる泡が腕を滑って、床の上にぽつりと落ちた。

