生活ってものに慣れてきたから、


「わたしも大学に行きたい」って言ってみた。



レンは少し考えて、「まだダメ」って応えた。



「どうして?」って聞いてみたら、


「もう少し慣れてから」って言われた。



レンはわたしが記憶喪失だと思っているから、


ちゃんと精神的に落ち着いたら…って意味で言ってるのかもしれなかった。



「もう大丈夫だよ」


「ダメ」


「ヒトの生活がわかったもん」


「…ダメ」


「歩き方もフォークの使い方もブラジャーのつけ方だってわかったもん」


「………ダメ」


「お風呂だって、のぼせな…」


「意味わかんないから、ダメ!」



こんな感じで、まだ許可してもらえないでいる。



日本語って難しい……って、そうじゃないのかも。