「でも、それはあくまで僕の片想い。多江さんの心の中にいるのは、今でも兄さんだよ」
真面目そうな外見に合わず、和夫さんはロマンチストらしい。
お兄さんの恋人を好きになったりと、人はみかけによらないもんだ。
「話を戻していいかい」
そうだ、話しかけられたのはあたしの方だった。
「旭さんが知っているように、多江さんは心を病んでいる」
原因は和夫さんの兄である隆夫さんの死。
そして多江さんは一時期抜け殻のようになった。
「だけど最近の多江さんは笑うようになり、朗らかにもなった。その理由も知ってるよね」
「隆夫さんからのメールですよね」
ある日届いた天国からのメールで、多江さんは抜け殻から脱したのだ。
「その通り」
和夫さんはうなずいた。
そして、手にしていた携帯電話を掲げた。
「もうわかっているだろう?」
あたしは自分の考えが間違いでなかった事を確信した。
「あのメールの送り主は僕なんだ」
真面目そうな外見に合わず、和夫さんはロマンチストらしい。
お兄さんの恋人を好きになったりと、人はみかけによらないもんだ。
「話を戻していいかい」
そうだ、話しかけられたのはあたしの方だった。
「旭さんが知っているように、多江さんは心を病んでいる」
原因は和夫さんの兄である隆夫さんの死。
そして多江さんは一時期抜け殻のようになった。
「だけど最近の多江さんは笑うようになり、朗らかにもなった。その理由も知ってるよね」
「隆夫さんからのメールですよね」
ある日届いた天国からのメールで、多江さんは抜け殻から脱したのだ。
「その通り」
和夫さんはうなずいた。
そして、手にしていた携帯電話を掲げた。
「もうわかっているだろう?」
あたしは自分の考えが間違いでなかった事を確信した。
「あのメールの送り主は僕なんだ」


