「どう思うって」

「天国からのメールよ」

「メールが来てたのは確かだよな」

「うん」

「誰かが死んだ恋人になりすましてメールを送っている。でも多江さんは恋人からのメールと信じている」

「うんうん」

「それ以上はわからん」

「だよね」

でもメールの内容を見る限り、メールの送り主に変な思惑はなさそうだ。

婦長さんの言うように、多江さんの支えになっていると思う。

謎としてはメールの送り主は誰か。

それに尽きる。

「多江さんの症状についてはどうなの。やっぱイェマント氏病?」

「オレが判断することじゃない」

達郎兄ちゃんはすげなく言った。

「それは医者の仕事だ」

あら、なんかハシゴを外された気分。

自分から言い出したクセにぃ。

あたしはむくれながら階段を降りた。

「あ…」

廊下の向こうに、藤上先生と婦長さんの姿があった。

婦長さんの持つ書類を見ながら話し込んでいる。