「その女性はいつも屋上にいるのか」

「たぶん」

「じゃ明日、オレと一緒に屋上に行ってくれ。その女性に会ってみたい」

「別にいいけど」

あたしの返事と同時に病室のドアが開いた。

頭に三角巾、顔にマスクのおばさんが、ワゴンを押しながら入ってきた。

「夕食ですよー」

おばさんの声が合図のように、達郎兄ちゃんは立ち上がった。

「じゃあなカホ、また明日」