『天国に行ってもメールをくれるなんて』
そう言う多江さんは、隆夫さんが死んだ事を、はっきりと認識していた。
にも関わらず、隆夫さんからメールが来た事を疑いもしなかった。
『間違いないわ。メールアドレスは隆夫さんの物だもの』
訝る婦長さんに、多江さんはそう反論した。
そして不可思議なメールのやり取りが始まった。
今では完全に多江さんの生活の一部となっているという。
病院側も、そのメールが慰みや励ましになるならと静観している状態だ。
「私も、口を出すつもりはないわ」
「あの、いいですか」
あたしは問わずにいられなかった。
「そのメールの送り主って、本当に隆夫さんなんですか」
「多江は、そう思っているわ」
「本当の送り主は…」
「ごめんなさい。話せるのはここまでよ」
さらなる問いかけを、婦長さんは制した。
「さっきも言ったけど、本当は個人の病状を第3者に漏らすのは、モラルに反することなの」
そう言う多江さんは、隆夫さんが死んだ事を、はっきりと認識していた。
にも関わらず、隆夫さんからメールが来た事を疑いもしなかった。
『間違いないわ。メールアドレスは隆夫さんの物だもの』
訝る婦長さんに、多江さんはそう反論した。
そして不可思議なメールのやり取りが始まった。
今では完全に多江さんの生活の一部となっているという。
病院側も、そのメールが慰みや励ましになるならと静観している状態だ。
「私も、口を出すつもりはないわ」
「あの、いいですか」
あたしは問わずにいられなかった。
「そのメールの送り主って、本当に隆夫さんなんですか」
「多江は、そう思っているわ」
「本当の送り主は…」
「ごめんなさい。話せるのはここまでよ」
さらなる問いかけを、婦長さんは制した。
「さっきも言ったけど、本当は個人の病状を第3者に漏らすのは、モラルに反することなの」


