「…遺産の相続条件について調べなきゃいけないわね」

麗美姉ちゃんの切れ長の目が鋭くなった。

「司法解剖の詳細な結果も出してもらわないと」

「3週か4週はかかるんだっけ」

「そうよ」

「捜査方針も練り直しだな」

「あんたが言うなっつーの」

麗美姉ちゃんはタメ息をついた。

どうやら達郎兄ちゃんの推理は終わったようだ。

あたしは麗美姉ちゃんによりかかって、その肩に頭を乗せた。

「どうしたのカホ」

麗美姉ちゃんは微笑みながら言った。

「なんか気が抜けちゃって…」

あたしは半ばボ―然としながら言葉を続けた。

「麗美姉ちゃん、大変かもしれないけど捜査ガンバって。あたしに真実を教えて」

「任せなさい」

麗美姉ちゃんはそう言って頭を撫でてくれた。

「可愛い妹のために、姉ちゃんは頑張るよ」

麗美姉ちゃんは、達郎兄ちゃんに顔を向けた。

「当然あんたも手伝うわよね、お兄ちゃんなんだから」

「誰が兄ちゃんだ」