そのまま一睡もせずに学校に向かった。眠かったけれど休むわけにはいかない。


いざとなれば保健室に行けば大丈夫。


校門を通り過ぎ、欠伸をした時だ。
……先輩の背中を見つけたのは。


あの金髪は先輩に違いない。



「先輩、おはようございます」



後ろから声をかけて横に並ぶと、彼は相変わらずポーカーフェイスで。


でも、その横顔を見れたのはほんの一瞬だけ。彼は一瞬だけあたしを見ると何も言わずに足早に行ってしまった。



「なによ……」



昨日は優しかったのに。
今日は冷たい。


でも口、ケガしてた……

一瞬だけだけど、確かに見えた。


ケンカ……?