彼はオリジナルの曲を1曲歌ってくれた。 しっとりとしたラブソングだった。 それはまた、あたしにあっくんを思い出させたけれど、それほど胸は痛くならなかった。 ……胸が温かくなった。 あっくんとの思い出は、あたしを苦しめるけど。それ以上にあたしを支えてくれていたんだと気づけた。 「泣き虫」 ギターをポロンポロンと適当に弾きながら、彼は笑った。 夜風が、彼とあたしの間をすり抜ける。 空を見上げれば、億千の輝き。 ……あたし生きてる。 そう、思った。