どうしていつも不意討ちで現れるんだ。 ギターのケースを右手に持って無表情であたしを見下ろすのは間違いなく加藤光だ。 「たく……」 イラッとしたような表情を見せると、彼はあたしから視線を外して隣にあるもう1つのベンチに座った。 「また、死にに来たのか?」 「違っ……違います!」 否定すると得意の鼻で笑った。 ムカ…ムカつく……! ムカつくけど…… 「あなたの歌を聴きに来たんです」 あたしは、あなたを求めた。 あなたの歌を。