矛盾してる。
あたしも明日香を傷つけたくせに、明日香の事を悪く言ったこの人達にムカつくだなんて。
でも、本当にムカつく。
あたしは立ち上がると明日香を追いかけるように教室を飛び出した。
全力疾走だなんて、いつ以来だろう。
でも、どうしても明日香に追いつかなきゃって思ったの。
「待って！明日香っ」
あたしの声に、思ったよりもすんなり応じてくれた。
下駄箱より少し手前の廊下。
人はあたし達２人以外には居ない。
「明日香……」
「うちと話すのは嫌で、あいつ等と話すのは平気なんだ？」
あたしに背を向けたまま、明日香は唐突に言葉を淡々と紡ぐ。
違う。
そうじゃないよ。
