明日香をジッと見つめるけれど、一向に交わろうとしない視線に胸が痛くなった。
嫌われてもいいって思ったけど、理不尽なことに今はそんな風には思えない。
「あすっ……」
あたしが名前を呼び終える前に、明日香は教室を後にした。
唇を、噛む。
「横山明日香って感じ悪いよね」
その言葉に体が固まった。
「ヤンキーって感じするもん」
「無愛想だし?」
「わかる、わかる。関わりたくないよね」
やだ……
明日香はそんな人じゃないよ。
見た目は派手だけど、ヤンキーじゃない。
無愛想?
バカ言わないで。よく笑うし。
関わりたくないなら、関わらなくていいよ。



