僕らの瞳にうつる世界。



早く帰って来ないかなぁ。


教室の扉に視線を向ける。
明日香は昼休みになると直ぐに教室を出て行ってしまったから。



「石田さん、もしかして一人?」



そう話しかけて来たのは、同じクラスの女の子3人だった。

ニコニコしながら3人はあたしの席の左右の席と明日香の席に座った。


え……?



「良かったら一緒に食べようよ」


「え?…あ…えっと………うん…」



こんな左右正面を囲まれたら断れない。

断る理由も思いつかないし。



――『結衣には意思がないの?』

――『なんか結衣って〝死ね〟って言われたら簡単に〝はい〟って死にそう』



不意に明日香の言葉を思い出し、自分で今さら納得した。