次の日。入学式当日。
入学式にはもってこいの晴天。
あたしは約一時間をかけて、この、野球が強いことで有名な桜宮高校に来ていた。
――…本当は、
あっくんと通うはずだった。
一緒に行こうって、約束していた。
想像していたあっくんとの未来は当たり前にやって来るって思っていた。
……粉々になってしまったけれど。
ズキッと痛むことはわかっているのに、あっくんのことを考えずには居られない。
笑いながら、みんながこれからの高校生活に胸を踊らせながら通る校門をあたしはうつむきながら通り抜けた。
……こんな遠い、通学に時間がかかる学校に誰が進んで受験するだろうか。
あたしが通っていた中学校からここを受験をした人は、あたしを含めて2人。
だからこそ、あたしはここを受験したんだけど。