僕らの瞳にうつる世界。



『でも約束は守る。お前がいいって言うまで、どんな形であっても歌い続けるから』



微笑んだ先輩に、あたしも微笑んだ。



先輩の言葉。あたしたちの約束。

それが未来を作る。



先の見えない道は、きっと不安がいっぱい。だけど夢があるから踏み出せる。


迷わず。真っ直ぐに。



「とうとう先輩達卒業しちゃったね」


「うん」



卒業式が終わって、在校生のあたし達は一足先に放課後。


3階の教室のベランダから下を見る。


好きな先輩に告白しようと待っている生徒もちらほら居るようだ。



「…………」

「…………」



無言の空気を
断ち切ったのは明日香だった。



「報告していーい?うち宝先輩に告白した」


「……えぇ!?」



まだいいって言ってないのに!

しかも何その報告!



「で、フラれたー」