僕らの瞳にうつる世界。






それから4ヶ月後。

季節は巡り巡って春になった。



「…卒業生代表、吉野宝」



宝先輩の卒業生代表の言葉が終わって、拍手と数人のすすり泣く声が体育会に響く。


今日は卒業式。



「続きまして校歌斉唱」



教務主任の司会に続いてピアノの音。
このピアノを弾くのは先輩だ。


先輩……




『え…ダメだった…?』


『ああ、選ばれなかった』


『そんな……』


『まあ、そんな甘くねーよ』




先輩はそう笑ったけど、あたしは笑えなかった。


本当に残念だったから。