なのに先輩は自分を責めてる。
それが悔しいの。
自然と涙が出て来る。
これを止める方法なんて見当たらない。
「…泣くなよ」
「じゃあ…歌ってくださいよ…っ」
「え?」
「今日、最終審査があるんですよね。宝先輩に聞きました」
あいつ余計なことを…なんて考えてるんだろうなって鈍いあたしにも分かる。
そんな顔をしている。
「それは出来ない」
「どうしてですか…?」
「決めたことだから」
どうして?
どうして伝わらないの……?
モヤモヤ、心が灰色に染まってく。
「歌わないなんて許さない」
絶対許さない。
「絶対許さないんだから…っ」



