「でも光を救える人はちゃんと居る」
「えっ」
「それは―――結衣、あんただけだよ」
あたし…だけ?
ドクン。ドクン。ドクン。
「こんな事言ったらあれだけど…。苦しめてる人しか苦しんでる人を救えない」
苦しめてる人しか
苦しんでる人を救えない…?
明日香の説得力のある深い言葉が、真摯に胸に突き刺さって来る。
「うちもそうだった。うちが退院した後、しばらくしてさ?バッタリ、中学の時にいじめて来たやつに会ったんだよね」
「そうだったんだ」
「うん。そん時にそいつが〝あの時はごめん〟って謝ってくれたんだよ。確かに結衣にうちは救われたけど、その時、本当の意味で救われたっつーか…
許せてホッとしたんだ」



