《……僕の罪を消すことができたなら
君を愛すことが出来るのになんて
考えることすらいけないこと
――でも、ごめん。君を愛してる》
作りかけだったはずなのに続きがある。
ギターの音色が止まる。
静寂の中に一歩を踏み出そうとした瞬間。
「結衣、ごめん」
え?
「出逢っちまってごめんな…」
悲しげな先輩の震える声。
グッと唇を噛む。
「…そんなこと言わないでください」
一歩を踏み出す。
先輩はこちらを見てハッと「しまった」とでも言いたそうに顔を歪めた。
あたし…
「あたしは先輩に出逢えて良かったと思ってます」



