彼があたしへの愛の言葉を紡いだ時、あたしは最低なことを思った。 ――先輩だったら。 そう思った、自分が情けない。 「気づいてなかったろ?結衣ちゃん、光のことばっか見てたから」 「…ごめんなさい」 本当に、気づいていなかった。 だってそんな素振り、 全然見せてなかったでしょう? 「謝らないでよ」 「…ごめんなさい…」 「ほら、」 あたしの冷たい頬に彼が触れた。 「――泣きやんだ」