僕らの瞳にうつる世界。



苦しい。くるしい。クルシイ。

胸が何かに潰されそう。



「結衣ちゃん…っ」



宝先輩があたしの小さな体を包み込むまで、まるでスローモーションみたいだった。


宝先輩の体温と自分の体温が重なる。


…とてもビックリした。



「宝…先輩?」


「頼むから、あいつのことでもう…泣かないで」



耳元で、呟いた。



「…泣くなよ」



宝先輩。




「俺、結衣ちゃんのこと好きなんだ」