タクシーを拾い、お母さんと2人で病院へ向かう。前に明日香も入院していた病院だ。


…途中の道のりがとても長く感じた。



「結衣!」



病院の廊下。


あたしの存在に気づいた明日香は、急いであたしに駆け寄って来る。


母に頭を下げる明日香。



「遅かったね…」


「ごめん…。先輩は?」


「なんとか一命はとりとめたんだけど…」



良かった。


しかし彼女の顔は曇ったまま。



「ここ、先輩の病室だよね?」


「あっ…結衣、待って…っ」



ガラガラッと病室の扉を開けた。