破裂しそうなあたしの心臓の音が、どうか先輩に聞こえていませんように。 そして、真っ赤になったあたしの変な顔に気づかないで。 「さんきゅーな」 そう、ぶっきらぼうに言って。 ……照れるなら言わなければいいのに。 って、強がるあたしもあたしだ。本当は死ぬほど嬉しいくせに。 ……あまのじゃく。 音楽室の空気は妙に甘酸っぱく。 窓からは夕日が見えていた。 …迫るあの日に、あたしは戸惑う。 ◇