「お前は?」 「?」 「夢とかないの?」 夢……。 あたしの夢は…――― ――『結衣の夢は大好きな人のお嫁さんになること!』 懐かしい記憶の中にあるあたしの夢。 キュッと優しくも痛くする。 「ありますけど……」 「なんだよ」 「教えたくありません。絶対笑うもんっ」 「は?」 お嫁さんって。 今時の小学生でも思わない。 なのに高校生にもなったあたしが本気で願ってるなんて。 ……絶対笑われる!