僕らの瞳にうつる世界。



「勉強しろ、お前のためだ。遊ぶな、遊ぶぐらいなら勉強しろ。勉強しろ、勉強しろ。…もう聞き飽きたっつーの」



自嘲するように笑う。


胸が痛いよ…。
そんな笑顔は見たくない。



「可哀想……」


「………」


「って、言って欲しいんですか?」



もともと大きい目を見開く先輩。

そんな彼の瞳を真っ直ぐ見つめる。



「正直、言い訳にしか聞こえない」


「なっ…」


「だってそうじゃないですか。あたしにはまるで〝親父が居るから夢を追いかけられない〟と言ってるように聞こえました」