場所を橋の上からベンチに移した。



「お前、変わったな」


「そ、そうですか…?」


「うん、変わった」



彼は話ながら器用にギターのチューニングを合わせている。


あたしはそれを
足をプラプラさせながら観察する。



「先輩って歌手志望ですか?」


「ん。でもなれないよ、どーせ」


「そんな事ないですよっ」



夢を叶えられるとか、はっきりした事が分かるわけじゃ無いのだけれど。



「先輩の歌、あたしは好きです」



あたしはもう先輩の歌の虜になってしまっているから。



「あ、あたしが先輩の夢を応援します!」