地面に投げつけられたウォークマンを急いで拾い上げる。 それを見つめながらさっきの半沢さんの言葉を思い出す。 ――『わたしだって先輩が好きなのに…!』 …すき、なんだ。 チクッと心を刺す、この気持ちはなに? 半沢さんのせいで胸がモヤモヤする。 「昨日来なかった理由はこれ?」 「はい……」 「ふーん」 先輩は微かに笑った。 ――… どくん。