「ん〜〜・・・」


一瞬考えた末、
「じゃあ、家、この辺だよね?」「時間を決めて待ち合わせしましょうか?」
「このコンビニの前とか。」

「どこかに行く予定とか
ある?」


「いえ、特には無いですけど。」
「何時に戻って来る予定だったんですか?」



元々待ち合わせが好きでは無かった。と言うよも、り時間通りに動くことが好きでは無かったので咄嗟に「待ち合わせ」と言う案が浮かばなかったのだが、この状況では仕方無いだろうと思い、今日のこれからの予定も時間を決めて動くことになった。


会社という時間に追われ、更にその生活の中でも時間にしばられる「待ち合わせ」と言うことに息を抜くことが出来ない感覚に襲われていたのだが、会社という制約が無くなると、特にこの「待ち合わせ」に苦は感じなかった。


時間という制約は人間には不可欠であり、その制約の中でこそ力が発揮出来るのかも知れない。

「目的、目標が明確で無い仕事では結果が出せないということと同じなのかな?」

サラリーマン時代には気付かなかったことに気付けた気分だった。

これをどうにかこれからの生活にも活かし、勝ち抜こう!とも同時に思えた瞬間でもあった。



「じゃあ明るい内に、16時とかどう?」

時計を見て
「今から5時間後か。」


「分かりました。じゃあ16時に待ってます!」


この時には少し笑顔も見れた。

ちょっと幸せな気分だった。