土日のファミレスというのは、いろんな客層が集まり、賑やかである。

ここが俺のバイト先だ。

テストの次の日からバイトに復帰した俺は、店長に声をかけられた。


「新しく入った遠山さん。
西原くんと同じ歳みたい。
土日だけシフト入ってもらうことになったから、いろいろ教えてあげて」


店長が紹介すると、遠山さんという子は俺に


「よろしくお願いします」


と頭を下げた。


「あ、はい」


と店長と彼女の2人に返事すると、店長は「よろしく」と離れて行った。


「えっと…」


遠山さんは言いながら、俺の胸元の名札を見た。

それに気が付いた俺は改めて挨拶した。


「あ、西原です。えっと…高2?」

「はい!」


彼女は俺の目をしっかり見つめて返事した。


「バイトは初めてですか?」

「そうなんです。でも土日のファミレスって…」


彼女は言いながら店内を見回した。


「大丈夫。すぐに慣れるよ」

「よろしくお願いします」

「あ、敬語なくてもいいけど?」


彼女は目をぱっちりと開き、ちょっと首をかしげながら視線をそらし、再び俺の目を見た。


「じゃあ…ちょっとずつ」


彼女の答えに俺はただ頷いた。
彼女も満足そうに笑った。