近くにいた橘さんが声を挙げた。


「あ…あたしも用具」

「…」


そしてぴらっと《当たり 用具》と書かれたくじを見せた。


「…」

「よ…よろしくね」

「うん、こちらこそ」


話したことない女子よりはよかったかも。


ちょっと騒がしくなってる黒板あたりから少し離れたところで、

いつものように他人事のように黒板を眺めているハルがいた。


「ハルくんは何に当たったの~?」


からかい半分で聞いてみると、ハルは顔を黒板に向けたまま、ぴらっとくじを見せてきた。


《大当たり》


「…」

「俺は基本、行いがいいからな」


ここでもいつものようにニヤッと笑い、鼻あてをくいっとあげた。

こいつの偉大さを改めて思い知らされた。


そしてある意味で《はずれなし》のくじを作った

新クラス委員のポジティブシンキングに、俺は尊敬すら感じた。


放課後、早速係ごとの集まりが行われた。

集合は基本、自分の担当の2個前…ということで、まずは自分がどの種目に出るのかのアンケート。